カイガラムシを放置すると?多肉植物等の白い虫が及ぼす被害について
「木の枝に変な玉みたいなものがついているけど、これってなんだろう……」
「カイガラムシって何してるんだろう、放置してるとどうなるんだろう……」
皆さんは「カイガラムシ」をご存じでしょうか。
名前は何となく聞いたことがあっても、どんな虫なのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。
その正体は植物にさまざまな悪影響を及ぼす危険な害虫なのです。
今回は、「カイガラムシ」をテーマに、
●カイガラムシの生態
●カイガラムシを放置するとどうなる
●カイガラムシを自分で退治・撃退する方法
以上の3つの内容について掘り下げて解説しますので、ぜひ皆さんもご一読ください。
カイガラムシの生態
一概にカイガラムシといっても、大きさや姿形などさまざまです。
「カイガラムシ」という名前を冠しているものだけでも400種類以上おり、まだ未発見の種類も多く存在すると考えられております。
ここでは、カイガラムシの生態について掘り下げて解説しますので、皆さんも生態を学び駆除のための参考にしてみてください。
カイガラムシの生態
カイガラムシは、カメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科に分類される昆虫を指します。
分布については、熱帯・亜熱帯を中心に、植物が生育する環境には必ず存在します。
カイガラムシの食性は、植物の汁液です。
植物の幹や木に細い口吻を突き刺し、養分を吸収して生きています。
多くのカイガラムシは、特定の位置から動かず養分を継続摂取するため、足が退化していることが多いです。
カイガラムシの生殖
カイガラムシは年中活動と繁殖を繰り返すことができます。
5月から7月の増殖がもっとも盛んになる種類が多く、逆に冬の寒い季節になると休眠状態となります。
カイガラムシの成長は、種類によって異なりますが、害虫として頻出的な「フジコナカイガラムシ」の場合、交尾から産卵まで約12日間、卵から孵化まで約7日間、孵化から成虫までが約25日間という成長サイクルです。
カイガラムシを放置するとどうなる?
カイガラムシを放置するとどのような事態が起こるのでしょうか。
ここでは、カイガラムシが巻き起こす被害について紹介しますので、皆さんもご自宅の木々や多肉・観葉植物の状況を確認してみましょう。
枝枯れを起こす
カイガラムシは植物の枝や幹、葉に寄生し、養分を吸収して生きています。
そのため、寄生された植物は生育に必要な養分が足りなくなり、生育不良や枝枯れを起こしてしまう危険性があります。
特定の枝葉が枯れてしまう場合は、カイガラムシがいないかチェックするようにしてください。
すす病にかかる
カイガラムシの排泄物には、植物から吸汁した時に含まれている多量の糖分が混じっています。
この多量の糖分によって、すす病が発生してしまうことがあります。
すす病に疾患してしまうと、枝葉や幹が黒いすすのような状態に変質してしまい、見た目を損ない、生育へも悪影響を及ぼしかねません。
こうやく病にかかる
カイガラムシに寄生されると、こうやく病にかかることがあります。
こうやく病とは、カビの1種であるこうやく病菌によって発生する樹木の病気です。
こうやく病にかかってしまうと、枝や幹にフェルトのようなカビが生じます。
カビに侵されてしまうと、生育不良や枝枯れに繋がってしまうので注意しなければなりません。
カイガラムシを自分で退治・撃退する方法
カイガラムシを自分で退治・撃退するにはどのような方法があるでしょうか。
ここでは、一般の方でも実践可能な対策方法を幾つか紹介しますので、参考にしてみてください。
カイガラムシが寄生した枝葉をカットしよう
カイガラムシの被害が軽微の場合に有効的なのが、カイガラムシが寄生した枝や葉を物理的に取り除くことです。
枝葉をカットすることで、見た目のリフレッシュとカイガラムシ自体を駆除することが可能なので、大変有効的です。
テープを使って取り除こう
コナカイガラムシのような葉の裏に寄生するような種類には、テープの接着面を使って駆除する方法がオススメです。
木酢液を使用して駆除しよう
カイガラムシの幼虫に効果的なのが、ホームセンターで購入することができる木酢液を使う方法です。
木酢液は高い殺菌・殺虫能力を持つため、カイガラムシの幼虫には非常に有効的です。
反面、カイガラムシの成虫にはカラがシールドとなってしまうため、木酢液が浸透せず効果がありませんので、別の方法を試しましょう。